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かけひき  2008.11.16

音楽を教える仕事って言うのは、本当に難しいです。
先生の気に入るように弾いてくれればOKと言う訳には行かないですから。
塾など、お勉強で答えのハッキリしているものとは違って、
生徒の個性を生かして行かなければ意味がありません。
どの部分が「未熟」でどの部分が「個性」なのかの判断が微妙な時もあります。

生徒の態度でも、大人の感覚で判断出来ない場合もあるんです。
今週のレッスンでも、「どれどれ先生が一発素晴らしい演奏を聞かせてあげよう」
っと生徒を立たせて弾き始めたものの、
ヤツは、クルリと後ろを向いて本箱を物色し始める。
コノヤロー!っと叫ぶのをぐっとガマンするワタシ。。。。。
いつもの事です。

じゃあ、ヤツは聴いていないのかと言うとそんな事はないのです。
それがヤツのスタイルなんです。

相手の目を見て話すのが苦手な生徒もします。
そんな時は、私もなるべく目をそらしてレッスンします。
音楽でつながっていれば良いと思っているからです。

疲れている事をアピールするために、大きなアクビをする女生徒もいます。
そんな時には、「そりゃ、イケテナイ女だよ」と教えてあげます。
どうせイケテナイもん。
って言うのですが、次のレッスンの時には一回もあくびをしませんでした。

レッスン室でのびのびと自分を表現させるためには、
ある意味、心と体を萎縮させずに解放出来る様な環境作りも大事。
決して無礼な態度を認めよと言っているわけではありませんが、
どんな態度にも対応できる大人でありたいと思っています。