写真はウィーン原典版「アラベスク」です。 左の和音の上に付いている記号はどう演奏しましょうか?
種田直之先生の解説によると、これは普通のスタッカートと違って 〈表情豊かなスタッカート〉を意味しているそうです。
確かにこの曲集の中でたくさん使われていますし、普通の点・で表すスタッカートも使われていて、ブルクミュラー先生は使い分けをしています。
しかしその〈表情豊かなスタッカート〉ってどのようなスタッカートだと思いますか? もちろん{P}とありますから、威勢の良いチャキチャキの江戸っ子風ではないと思います。
次にこの種のスタッカートが使われているのが、「狩」の冒頭4小節間の和音です。 これをホルンの音色と想定するなら、手首に柔軟性を持たせて余韻が少し感じられるようなタッチが良いと思うのですがいかがでしょう?
スタッカートと言っても色々な種類のタッチがありますけど、こうして標題をイメージしながら工夫出来るのがブルクの良い所です。
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