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グレーゾーン No2  2008.6.18

私の知る限り、ピアノの先生って計算に弱い方が多いです。
ワリカンタイムになると、みんな一斉に遠い目をして、誰かが計算してくれるのを待ちます。
自分のグレーゾーン自慢で盛り上がるのもピアノの先生の特徴で、
更に〈右脳人間〉と呼ばれる事に妙な快感を覚えます。

とは言え、長年ピアノを弾いて来ているワケですから、それぞれ皆さんただ者ではありません。

ピアノを弾くと言う行為は、
感覚−運動、器用でバランスが良く感覚同士がうまく協応している。
視覚認知、聴覚認知がしっかりしていて、正確に音符や音を見分けたり聞き分けたりする事が出来る。
概念形成に必要な情報処理がうまく行える。
いわゆる「記憶」で、必要な情報を必要な時に、引っ張り出す事が出来る能力。
これらを自動的に行っているのです。

楽譜を見て、ピアノを弾く。
これだけの行為をするために、頭の中にいる「ちっこいおっちゃん達」が、
右往左往しながら配線の接続工事をしているんですよ。

ところが、この配線工事の下手な「ちっこいおっちゃん」も時々いるんですわ。

同じように音符を教えても、覚えられない生徒。
いくら言っても、間違っている箇所を直せない生徒。
リズムの長さが適当で、数の概念が薄い生徒。
思うように指が動かない生徒。

学習障害(LD)は、上記の感覚ー運動においては、不器用でバランスが悪い、、、となります。 

この子ども達は、「やれば出来る子」です。
ただ「その子どもにあったやりかたでやれば」できる子どもたちなのです。