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グレーゾーン No1  2008.6.12

一般的にピアノの先生は、入会の依頼があれば余程の事が無い限りお引き受けするでしょう。
当教室のように《音楽療育コース》として障害児を受け入れていれば、
そのコースに、、、と指定で、入会を希望して下さいますから、こちらとしても対応が決まっているので、ある意味指導目標を定める事が出来ています。
この場合、保護者の方もはっきりと障害に対して認識を持っていらっしゃいます。

ピアノの先生のお悩み相談の中で、もっとも多いのは、
一般の小学校に通っているのに、ピアノを教えていて行き詰まり、中々先に進めないと言う事例です。

ピアノレッスンを始める以前の問題点も多いですね。
例えば、玄関に入り靴を脱ぐなり部屋へと猛ダッシュで突っ込んで来て、
ジャカジャカとピアノをさわり出す。

こちらの注意はほとんど無視で、自分のしゃべりたい事、やりたい事を主張する。
落ち着いてイスに座っている事が出来ない。
昔なら、元気のよい子、落ち着きのない性格、個性として見られていました。
難しいのは、それが本当に成長過程での一過性のもであるかどうかの判断が付かないという所です。

ピアノの先生は、通常のレッスンを開始するまでにストレスを感じます。
ここで先生達のある思い込みが、ストレスを増大させているように思います。

”普通の小学校に通っている”

しかし知的に問題がなく入学しても、学習障害を抱えている場合があるのです。

保護者サイドも様々です。
成長過程で起こっているものなのか、半信半疑。または、そうは思いたくないと言う意識が強く働いている場合もあるようです。

では、私達ピアノの先生がその生徒に対して、どう対応したらいいのかという事ですが、
はっきり言って、なすすべはありません。
出来る事は、先生の意識を変える事だと思います。

本来ならばなるべく早く、医師の診断を受けて投薬や心療カウンセリングを受けるのが望ましいのですが、私たちがそれを口にするのは避けましょう。
ただレッスンの中で、保護者に気づいてもらうようにする事は出来るのではないでしょうか。

次回につづく。